「三大疾病保険って本当に必要なの?」「医療保険に入っているけど、わざわざ追加しないといけない?」「一時金はいくら準備すればいい?」
保険ショップでよく勧められる三大疾病保険ですが、必要性については賛否両論あります。「入るべき人」と「入らなくていい人」はっきり分かれます。
この記事では、保険相談2万時間の元保険販売員・しんりゅうが、三大疾病保険が本当に必要かどうかを、メリット・デメリット・一時金の目安まで正直に解説します。
📌 この記事でわかること
- 三大疾病保険が「いらない」といわれる理由
- 「急性心筋梗塞・脳卒中」と「心疾患・脳血管疾患」の支払い条件の違い
- 一時金はいくら必要か(具体的な目安)
- 医療保険・がん保険・払込免除特約との違い
- 入るべき人・入らなくていい人の判断基準

こんにちは、ファイナンシャルプランナー歴 20年、しんりゅう(⇒プロフィール)です。
三大疾病とは何か:日本人の死因の上位3つ
三大疾病とは、日本人の死因上位を占める以下の3つの病気の総称です。厚生労働省「人口動態統計(2021年)」によると、この3つで日本人の死亡原因の50%以上を占めます。
| 疾病 | 主な症状・特徴 | 平均入院日数(目安) |
|---|---|---|
| がん(悪性新生物) | 罹患率・死亡率ともに最高位。治療が長期化することが多い | 約17日 |
| 心疾患 | 心臓の血管が詰まる心筋梗塞や狭心症など。緊急入院が多い | 約19日 |
| 脳血管疾患 | 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血など。後遺症・長期リハビリになりやすい | 約78日(最長) |
特に脳血管疾患は入院が長期化する傾向があり、脳血管疾患は入院期間が長期化する傾向があり、がんや心疾患と比較しても長くなりがちです。これが三大疾病への備えが必要といわれる大きな理由のひとつです。
三大疾病保険が「いらない」といわれる主な理由
三大疾病保険を勧められた時、一方的に加入してはいけません。「いらない」派の理由も正直に見ておきましょう。
| いらないといわれる理由 | 内容 |
|---|---|
| ❶ 高額療養費制度がある | 月の医療費の自己負担上限は年収約370万〜770万円の人で約8.7万円。医療費そのものは公的制度でカバーできる |
| ❷ 医療保険で入院はカバーできる | 入院日額給付金があれば三大疾病の入院費用は基本的に医療保険で対応できる |
| ❸ 保険料負担が増える | 特約を追加する分、毎月の保険料が上乗せされる。保障が重複するケースも |
| ❹ 一度受け取ると保険が消える商品がある | 三大疾病保険(主契約型)は一時金を受け取った時点で契約が消滅する商品が多い。再発には対応できない |
⚠️ 元保険販売員の本音:医療費そのものは高額療養費制度でかなりカバーできます。三大疾病保険が本当に必要になるのは「収入減少・差額ベッド代・通院交通費・リハビリ費用など、高額療養費で補えない部分」への備えとして考えるべきです。
最重要:「急性心筋梗塞・脳卒中」vs「心疾患・脳血管疾患」の違い
三大疾病保険を選ぶ際に、最も重要で見落とされやすいのが支払い対象となる病気の範囲です。同じ「三大疾病保険」でも、保険会社によって2パターンあります。
| 旧タイプ(狭い) | 新タイプ(広い) | |
|---|---|---|
| がん | 悪性新生物のみ (上皮内がん対象外) |
悪性新生物+上皮内がん |
| 心臓系 | 急性心筋梗塞のみ (約6種類) |
心疾患(全般) (約60種類) |
| 脳系 | 脳卒中のみ (脳梗塞・出血・くも膜下) |
脳血管疾患(全般) (脳卒中の約2倍の範囲) |
| 支払い条件(心臓・脳) | 就業不能状態が60日以上続くことが必要な商品もあった | 1日以上の入院または手術で給付 |
💡 具体例:狭心症で入院した場合、「急性心筋梗塞」が支払い条件の保険では一時金が出ません。しかし「心疾患」が支払い条件の保険なら狭心症・不整脈・心不全でも対象になります。心疾患は急性心筋梗塞の約10倍の範囲をカバーします。同様に、もやもや病は脳卒中には含まれませんが脳血管疾患なら対象です。
既存の保険が「急性心筋梗塞・脳卒中」タイプの場合、見直しの価値があります。ただし見直す際は健康状態によっては新しい保険に入れないリスクも考慮してください。
一時金はいくら準備すればいい?
三大疾病保険の一時金額をどう設定するかは、多くの人が迷うポイントです。
一般的な目安は100万〜300万円程度とされています。三大疾病で通院や入院をすると、医療費の自己負担額、通院の交通費、入院中の食費や日用品代といった費用がかかります。治療費と生活費を合わせてこの金額を目安にするとよいでしょう。
| カバーすべき費用の内訳 | 高額療養費で カバーできるか |
目安金額 |
|---|---|---|
| 医療費自己負担(3割) | ✅ カバーできる | 月8〜9万円程度が上限 |
| 差額ベッド代 | ❌ 対象外 | 1日3,000〜20,000円 |
| 入院中の食事代 | ❌ 対象外 | 1食460円 |
| 先進医療・自由診療 | ❌ 対象外 | 数十万〜数百万円 |
| 休業による収入減少 | ❌ 対象外 | 月収の2〜3か月分以上 |
| リハビリ・通院交通費 | ❌ 対象外 | 数万〜数十万円 |
📊 目安:高額療養費制度が適用される治療を1年行った場合に見込まれる自己負担額を70万〜100万円程度とすると、1年間治療を続けた場合は一時金が50万円だけでは足りないケースも出てきます。差額ベッド・収入減少・リハビリを加味すると、最低100万円、できれば200〜300万円を目安に設定するのが現実的です。
三大疾病保険・医療保険・がん保険の違い
| 医療保険 | がん保険 | 三大疾病保険 | |
|---|---|---|---|
| 給付形態 | 入院日額×日数 | 診断一時金(がんのみ) | 診断一時金(3疾病) |
| 対象疾病 | すべての病気・ケガ | がんのみ | がん・心疾患・脳血管疾患 |
| 保険料(目安) | 月2,000〜4,000円 | 月1,500〜3,000円 | 特約追加で+500〜2,000円程度 |
| 特徴 | 汎用的。すべての入院に対応 | がんに特化。心疾患・脳血管疾患は非対応 | まとまった一時金。使途は自由 |
払込免除特約と三大疾病保険は別物
名前が似ているため混同されやすいですが、「三大疾病保険料払込免除特約」と「三大疾病保険(一時金)」はまったく異なります。
| 三大疾病保険料払込免除特約 | 三大疾病保険(一時金) | |
|---|---|---|
| 受け取れるもの | お金ではなく「以降の保険料が免除」される | まとまった一時金(100万〜300万円など) |
| 保険の継続 | 払込免除後も保険は継続する | 主契約型は一時金を受け取ると保険が消滅する商品が多い |
| 目的 | 三大疾病で働けなくなっても保険を維持できる | 治療費・生活費の補填。使途は自由 |
三大疾病保険に入るべき人・入らなくていい人
| ✅ 入るべき人 | ❌ 入らなくていい人 |
|---|---|
|
|
まとめ
- 三大疾病保険が「いらない」といわれる理由は主に4つ。高額療養費制度・医療保険との重複・保険料負担・一度受け取ると消える点
- 一方で、高額療養費でカバーできない費用(差額ベッド・収入減・リハビリ)に備えるには有効
- 選ぶなら必ず「心疾患・脳血管疾患」タイプを選ぶこと。「急性心筋梗塞・脳卒中」のみでは保障範囲が10分の1以下になる
- 一時金の目安は最低100万円、できれば200〜300万円
- 「払込免除特約」と「三大疾病一時金特約」は別物。両方付加するのが理想的な組み合わせ
- 貯蓄が十分にある人・医療保険とがん保険でカバーしている人は不要。逆に自営業・一家の大黒柱・貯蓄が少ない人には加入する価値が高い

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