「とりあえず県民共済に入っておけばいい」——そう言われて加入したまま、60歳・70歳になっても続けている人が意外に多くいます。
でも、これが最大の落とし穴です。
県民共済は年齢が上がるにつれて保障が段階的に減っていきます。しかも保険料は変わらないのに。「とりあえず」のまま放置すると、最も保障が必要なシニア世代で手薄な状態になってしまうのです。
この記事では、FP歴20年のしんりゅうが県民共済のメリット・デメリットを正直に解説します。「県民共済だけで一生大丈夫?」と気になっている方はぜひ読んでみてください。
📌 この記事でわかること
- 県民共済の正直なメリット・デメリット
- 60歳以降に保障が激減する仕組み
- 「安い」は本当か?トータルコストの真実
- 県民共済が向いている人・向いていない人
- 子どもに県民共済が有効な理由

こんにちは、ファイナンシャルプランナー歴 20年、しんりゅう(⇒プロフィール)です。
県民共済の正直なメリット
まず公平に、県民共済のメリットから確認しましょう。よく言われる「メリット」のうち、本当にメリットと言えるのは何でしょうか。
| よく言われるメリット | 実際は? |
|---|---|
| 保険料が安い | ⚠️ 必ずしも安くない(後述) |
| 加入が簡単 | ⚠️ 持病があると加入できない |
| 支払いが早い | ✅ これは本当 |
| 割戻金がある | ✅ 毎年一定額が戻ってくる |
県民共済の本当のメリットは「支払いが早い」ことです。なぜ早いかというと、加入審査で持病のある人を基本的に弾いているから。シンプルな加入者層だからこそ、給付審査もシンプルになるわけです。
また、毎年の決算で剰余金が出た場合、割戻金として一部が戻ってきます。たとえば都民共済の2024年度決算では割戻率が38.57%で、月2,000円の掛け金なら年間約9,200円が戻ってきた計算になります。ただし割戻金は毎年変動し、必ず出るわけではありません。
県民共済の3つのデメリット【これが核心】
デメリット①:60歳を超えると保障が激減する
これが最大の落とし穴です。県民共済は年齢が上がるにつれて保障が段階的に減っていく仕組みになっています。保険料(掛け金)は変わらないのに、受け取れる給付金がどんどん減っていくのです。
| 年齢 | 死亡保障(病気)の目安 | 入院給付の目安 |
|---|---|---|
| 〜59歳 | 400万円程度 | 日額5,000〜10,000円 |
| 60〜64歳 | 100〜200万円程度 | 日額3,500〜7,500円程度 |
| 65〜70歳(熟年型) | 70〜100万円程度 | 日額3,000〜5,000円程度 |
| 85歳〜 | 保障終了(85歳が上限) | |
※金額はプランや地域により異なります。詳細はお住まいの共済の公式情報でご確認ください。
入院リスクが最も高まる60代・70代に、保障が半分以下になっているのです。「65歳になって保障が激減していたことを知らず、病気になったときに思ったより給付されなかった」という声は実際に多く聞かれます。
デメリット②:トータルでは必ずしも安くない
「県民共済は安い」というイメージは半分正解で、半分間違いです。
たしかに月2,000〜3,000円という掛け金は安く見えます。しかし問題は60歳以降です。保障が大幅に減ったタイミングで「保障を元の水準に戻そう」とすると、新たに民間保険に加入しなければなりません。
⚠️ 落とし穴:60歳以降に「保障の穴」を埋めるために民間保険に追加加入すると、高齢での加入になるため保険料が高額になります。結果として、若いうちから終身医療保険に入っていた場合よりもトータルの保険料が高くなることがあります。
一方、民間の終身医療保険は、加入時の保険料が一生涯変わりません。若いうちに加入すれば保険料は低く固定され、保障内容も変わらず一生涯カバーしてくれます。
デメリット③:持病があると加入できない
「共済は加入しやすい」と思われていますが、これは誤解です。現在治療中の病気がある、慢性疾患で継続投薬中、過去1〜2年以内に入院・手術歴があるなどの場合は、県民共済に加入できません。
民間の医療保険は持病があっても特別条件付きで加入できるケースが多く、緩和型保険という選択肢もあります。加入のしやすさという点では、実は民間保険のほうが柔軟なケースも少なくありません。
県民共済が向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
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子どもには県民共済が向いている理由
実は、県民共済が最もメリットを発揮するのは子ども(0〜18歳)への加入です。
理由は「こども型」が通院だけでも給付金が出るから。子どもはスポーツや遊びでケガをして通院することが多いですが、民間の医療保険の通院特約は「入院を伴う通院」でないとお金が出ないケースがほとんどです。
県民共済の「こども型」なら月1,000円から、ケガによる通院から入院・手術まで幅広くカバーできます。18歳までの保障として活用し、成人後は終身型の民間保険に切り替えるのが賢い使い方です。
まとめ:「とりあえず県民共済」は危険!目的を明確にして選ぼう
- 県民共済の本当のメリットは「支払いが早い」「割戻金がある」の2点
- 60歳を過ぎると保障が激減。最も保障が必要な時期に手薄になる
- 保険料が安く見えても、トータルでは高くなる可能性がある
- 持病があると加入できないケースが多い(民間保険より条件が厳しいことも)
- 子ども(0〜18歳)には通院保障が充実した「こども型」がおすすめ
- 一生涯の医療保障を目的とするなら、終身医療保険を中心に設計するほうが合理的
「とりあえず県民共済」のまま60歳を迎えることのリスクをぜひ知っておいてください。保障の見直しが必要かどうか、一度プロに相談してみることもおすすめです。

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