「府民共済の火災保険って安いし、大阪・京都では人気みたいだけど大丈夫?」
掛け金の安さと割戻金の魅力から、大阪・京都をはじめ各都道府県で多くの方が加入している府民共済の新型火災共済。しかし「お守り程度の補償」と業界内でも言われるほど、自然災害への補償は最低限にとどまっています。
この記事では、保険相談2万時間のしんりゅうが府民共済のデメリットを5つ、具体的な金額を交えて正直に解説します。
府民共済「新型火災共済」とは
府民共済(大阪府民共済・京都府民共済など)は、都道府県民共済グループの一員です。東京の「都民共済」、北海道の「道民共済」と全く同じ仕組みの「新型火災共済」を販売しており、加入できるのは各府に在住または勤務している方に限られます。
💡 大阪府民共済 新型火災共済の基本スペック
掛け金目安:木造30坪・4人家族・保障額3,700万円の場合 年間29,600円
割戻金:2020年度実績で払込掛け金の約20%
風水害補償:見舞金制度(最高600万円)
水災補償:見舞金制度(最高300万円)
地震補償:加入額の5%・上限300万円
家財補償上限:家族人数に応じて400万〜2,000万円
府民共済の火災保険のデメリット5選
デメリット① 風水害の補償は見舞金制度で上限600万円
府民共済の最大のデメリットが風水害・台風・雪災の補償が「見舞共済金」という見舞金方式であることです。民間火災保険では実際にかかった修理費全額が支払われますが、府民共済では損害の程度に応じた定額の見舞金が支払われる仕組みです。
| 被害・損害の程度 | 府民共済(見舞共済金) | 民間火災保険 |
|---|---|---|
| 風水害で全壊 | 最高600万円(見舞金) | 実損額(修理費全額) |
| 風水害で半壊 | 加入額の5%以内(上限あり) | 実損額 |
| 一部破損(損害額20万円超) | 一律5万円のみ | 実損額 |
| 損害額10万円以下 | 支払なし(免責) | 免責なしなら全額 |
| 水災(床上浸水) | 最高300万円(見舞金) | 実損額 |
⚠️ 大阪の台風リスクを考えると…
大阪・京都は近年台風の直撃を受けることが増えています。2018年の台風21号では大阪府内で建物被害が相次ぎましたが、修理費が100万円超のケースでも府民共済から受け取れたのは5万円だけ、という事例が多数ありました。
デメリット② 地震補償が加入額の5%・最高300万円と極めて少ない
府民共済の地震補償は半壊・半焼以上の損害が生じた場合のみ加入額の5%(上限300万円)が支払われます。また損害額20万円を超えた一部破損については一律5万円の支払いにとどまります。
| 比較項目 | 府民共済(地震補償) | 民間の地震保険 |
|---|---|---|
| 全壊時の補償率 | 加入額の5%(上限300万円) | 火災保険額の50% |
| 2,000万円の建物が全壊した場合 | 100万円(上限300万円内) | 最大1,000万円 |
| 支払い条件 | 半損・半焼以上のみ | 一部損(20万円超)から支払い |
| 地震保険料控除 | 対象外 | 最大5万円控除 |
さらに見落としがちな点として、府民共済の地震補償は地震保険料控除の対象外です。民間の地震保険なら年間最大5万円の所得控除が受けられますが、府民共済の地震見舞金にはこの税制上のメリットがありません。
デメリット③ 家財の補償上限が家族人数で決まり柔軟性がない
府民共済の家財補償は家族の人数によって上限額が決まる独特の仕組みです。1人なら400万円、2人なら800万円、3人なら1,200万円と1人増えるごとに400万円ずつ増え、最大2,000万円(5人以上)が上限です。
民間の火災保険なら実際の家財の評価額に基づいて自由に設定できますが、府民共済では実態よりも低い設定しかできないケースや、逆に必要以上に高い設定になってしまうケースがあります。
デメリット④ 補償内容のカスタマイズができない
府民共済の新型火災共済はパッケージ型で、補償内容を細かく選ぶことができません。例えばハザードマップで水災リスクが低い地域に住んでいても水災補償部分を外して安くすることはできませんし、破損・汚損補償を追加することもできません。
デメリット⑤ 大規模災害時に共済金が削減されるリスクがある
府民共済には総支払限度額が設けられており、大規模な自然災害が発生して支払総額が限度を超えた場合、個々の支払額が削減されることがあります。大阪・京都は南海トラフ地震の想定被害エリアでもあるため、最も補償が必要なタイミングで受け取れる金額が減るリスクは特に意識しておきたいポイントです。
府民共済のメリットも正直に
✅ 府民共済のメリット
・掛け金が年間3万円以下に収まることも(民間の半額以下になるケースあり)
・割戻金あり(2020年度実績で払込掛け金の約20%)
・火災・落雷・破裂・爆発・車両衝突などの基本補償は充実
・年齢・性別・職業に関係なく掛け金が一律
・手続きがシンプルで入りやすい
府民共済に向いている人・向いていない人
✅ 向いている人
- とにかく掛け金を安く抑えたい方
- 賃貸で最低限の補償があればよい方
- 自然災害リスクが低い地域に住む方
- 民間保険と組み合わせてサブ的に使いたい方
❌ 向いていない人
- 大阪・京都の台風・水害リスクが高いエリアの戸建て住まいの方
- 南海トラフ地震への備えをしっかりしたい方
- 高額な注文住宅・持ち家にお住まいの方
- 補償を細かくカスタマイズしたい方
まとめ
- 風水害の見舞金は最高600万円・水災は最高300万円・一部破損は一律5万円
- 地震補償は加入額の5%かつ上限300万円→民間地震保険の50%と大差
- 地震補償は地震保険料控除の対象外(税制上もデメリット)
- 家財補償は家族人数で上限が決まり柔軟性がない
- 補償内容のカスタマイズが不可
- 大規模災害時の支払削減リスクあり(南海トラフ地震の想定エリアとして要注意)
