「全労済の住まいる共済って安いけど、本当に大丈夫?」
掛け金の安さから加入している方も多い全労済(こくみん共済coop)の「住まいる共済」。でも実は、戸建てオーナーにとって見落としがちなデメリットがいくつかあります。
この記事では、FP歴20年のしんりゅうが、全労済の住まいる共済のデメリットと注意点を具体的に解説します。
全労済「住まいる共済」とは?
全労済(正式名称:全国労働者共済生活協同組合連合会)は、2019年から「こくみん共済 coop」という愛称を使用しています。
住まいる共済は、火災や自然災害から住まいを守る共済商品で、「火災共済」と「自然災害共済」の2つを組み合わせた呼び方です。非営利の協同組合が運営しているため、民間の火災保険と比べて掛け金が安いのが最大の特徴です。
ただし、安さの裏には知っておくべきデメリットがあります。
デメリット① 自然災害の補償金額が非常に少ない
住まいる共済の最大のデメリットが、自然災害(台風・水害・地震)の補償金額の低さです。
自然災害共済で受け取れる共済金は、損壊の程度によって以下のように定められています。
自然災害共済の支払い上限(ベーシックタイプの場合)
・全損(70%以上の損壊):最大300万円
・半壊(20〜70%未満の損壊):最大150万円
・一部壊(損害額10万円超):最大40万円
問題は「全損300万円」という上限です。戸建て住宅が全焼・全壊した場合、再建費用は2,000〜3,000万円かかることも珍しくありません。300万円では到底足りないのが現実です。
また「一部壊」に認定されるのは損害額が10万円を超えた場合ですが、最大40万円しか出ません。台風で屋根が一部飛んで修理費が80万円かかっても、受け取れるのは最大40万円ということになります。
デメリット② 補償内容がカスタマイズできない
民間の火災保険では、自分の住環境に合わせて補償内容を細かく調整できます。水災のリスクが低い地域に住んでいれば水災補償を外して保険料を下げる、といったことが可能です。
一方、住まいる共済はパッケージ型の設計のため、不要な補償でも外すことができません。
- 破損・汚損補償は付けられない
- 特約の種類が限られている
- 個人賠償責任を安く付けることができない
自分のニーズに合った保障設計がしにくい点は、長期的に見て割高になるケースもあります。
デメリット③ 門扉・塀・カーポートが補償対象外
民間の火災保険では、建物本体だけでなく敷地内の門扉・塀・カーポートなども補償対象に含まれることが多いです。
しかし住まいる共済では、これらの付属設備はほぼ補償対象外です。大型タイプに加入していれば「付属建物等風水害共済金」として最大3万円が出ますが、台風でカーポートが吹き飛んだ場合の修理費(相場10〜30万円)にはとても足りません。
戸建てでカーポートや広い外構を持つ方は特に注意が必要です。
デメリット④ 民間の地震保険に上乗せできない
民間の火災保険には、国の制度である「地震保険」をセットで付けることができます。地震保険は建物の評価額の30〜50%が補償上限で、火災保険と合わせることで万が一の地震に備えられます。
一方、住まいる共済は共済ベースの商品のため、民間の地震保険と組み合わせることができません。地震への備えは自然災害共済の範囲内に限られ、補償額も低く抑えられています。
地震リスクが高い地域にお住まいの方は、この点が特に大きなデメリットになります。
デメリット⑤ 保障の上限額が低い
住まいる共済の火災共済の加入上限額は、建物の規模や構造によって異なりますが、民間の火災保険と比べると全体的に上限が低く設定されています。
たとえば築浅の大きな戸建てでは、建物の評価額に見合った補償額を確保しようとすると、上限に達してしまうケースもあります。
「掛け金が安い=必要な補償も安く確保できる」とはならない点に注意が必要です。
全労済の住まいる共済に向いている人・向いていない人
✅ 向いている人
- とにかく掛け金を安く抑えたい
- 火災リスクだけカバーできればいい
- 自然災害リスクの低い地域に住んでいる
- 組合員のつながりを活かしたい
❌ 向いていない人
- 台風・水害・地震リスクが高い地域に住んでいる
- カーポートや広い外構がある
- 築浅で建物評価額が高い
- 地震保険をしっかり確保したい
まとめ:住まいる共済が不安になったら比較を
全労済「住まいる共済」のデメリットをまとめると以下の通りです。
- 自然災害の補償金額が非常に少ない(全損でも最大300万円)
- 補償内容がカスタマイズできない
- 門扉・塀・カーポートが補償対象外
- 民間の地震保険に上乗せできない
- 保障の上限額が低い
掛け金の安さは大きな魅力ですが、「いざというときに足りない」では意味がありません。まずは民間の火災保険と比較してみて、同じ掛け金でどれだけ補償が変わるかを確認してみましょう。
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