大雪による被害が火災保険から補償されるかどうかは、その被害の内容によります。火災保険は、その名称からもわかるように「火災」に関する損害を補償する保険ですが、実際には火災だけでなく、風水害や地震、盗難など様々なリスクに対する保障が含まれています。
大雪による被害も、火災保険の風水害としての範疇に含まれます。風水害とは、雨や雪、台風、洪水、地盤沈下、地滑りなど、気象・自然災害による損害を指します。そのため、火災保険によって、大雪による屋根の損害や、家屋内の水漏れ、雪下ろしによる損害などが補償される可能性があります。
ただし、保険契約の詳細によって異なります。火災保険には様々な種類があり、カバー範囲や免責金額、補償額の上限などが異なります。また、大雪による被害が生じた場合、保険会社の定める手続きや申請期限などがあるため、注意が必要です。
そのため、大雪による被害が発生した場合には、まずは保険契約書を確認し、保険会社に問い合わせることが重要です。保険契約書を読み解くのが難しい場合は、保険代理店や弁護士など専門家に相談することもおすすめです。
そこでこの記事では、大雪が降った時の被害( 雪災 )と火災保険の補償内容についてまとめています。
- 雪の重みで建物が破壊された
- 大雪のせいで水濡れが起きた
- カーポートに穴が空いた
上記のケースは、火災保険でカバーできるのでしょうか?その答えは、あなたがご加入中の火災保険の内容によって違ってきます。
ちなみに雪災とは、雪の重みや落下などによる事故または雪崩のことをいい、融雪水の漏入や凍結、融雪洪水、除雪作業による事故は除かれます。
大雪による被害であっても 雪災補償の対象外 となるケースもあるということですね。
ということで、大雪が原因となる雪災被害ではどのようなケースは補償されるのか?
逆に、カバーされないケースとはいったいどのような場合なのかをこの記事で詳しく解説していきます。
【大雪と火災保険】雪災とはどんなケース?
それでは、冒頭でもお伝えした通り大雪が降った場合に想定される雪災被害には、どのようなものがあるのかをもう一度確認しましょう。
- 雪の重みで建物(屋根)が破壊(変形)された
- 大雪でカーポートの天井が壊れた
- 雪崩が発生し建物が破壊された
- 雪解け水により洪水が起き水害が発生した
まだまだ、他にもたくさんの例がありますが、まずは上記の場合に火災保険でカバーできるのかを解説していきます。
雪の重みで屋根が変形した場合はOK?
大雪が降り雪の重みで建物(屋根)に損害(変形)があった場合は、建物を対象とする火災保険に雪災補償を付けていると補償の対象となります。
屋根瓦 が割れた!というのが、これに当てはまりますね
大雪でカーポートが壊れた場合は大丈夫?
大雪が原因で屋根に雪がつもり、その雪が崩れた際にカーポートが壊れた場合は、火災保険の雪災補償の対象となります。
屋根から落下した雪が 給湯器 を壊した場合も同じですよ
雪崩が発生し建物が壊れた場合は補償されるの?
雪崩が発生し建物が壊れた場合も雪災補償がついていると補償の対象となります。
雪崩の場合は建物と同時に家財も被害にあうケースが多いですが、建物のみを保険の対象としている場合は、補償されません。
雪解け水で洪水が起きた場合の被害は補償されるの?
雪解け水が原因の被害は、非常に重要なポイントなのでしっかりと整理しておきましょう。
というのも、雪による被害には「雪災補償」と「水災補償」があるんです。
たとえば、雪解けが原因で洪水が発生し自宅が被害にあった場合は、火災保険の「水災補償」でカバーされます。
逆に、水災補償をつけていないと保険金は一切出ません!
つまり、雪解けにより洪水が発生しそうな地域に住む人は、水災補償をしっかりとつけておかないといけないということです。
雪災における火災保険の対象となるもの
では、雪災被害にあった場合、火災保険の補償の対象となるものにはどのようなものがあるのでしょうか?
具体的には、次のような対象物。
建物
- 窓
- 屋根
- 畳や床
- 物置
- 納屋
- カーポート
- 門
- 塀
- 床暖房
- トイレ
- システムキッチン
備え付けられたものは基本、建物になりますね。
家財も補償されるの?
建物が被害を受けた場合、建物の中のものも損害を受ける可能性が高いです。では、その家財についても補償の対象に含まれるのでしょうか?
例えば、雪崩により建物が破損され雪が室内に流れ込んできて家財が破損した場合です。
なお、補償されるかどうかは、加入した火災保険の対象に 家財を含めたかどうか によって、答えは変わってきます。
当然、家財の保障を付加していた場合は、次のような家財が対象物となります。
家財
- 家具
- 家電製品(テレビ・冷蔵庫含む)
- 衣類
- 自転車
- 原付自転車(125cc以下)
車や大きなバイクは、自動車保険の範囲になる のが注意点ですね。
雪災の被害にあっても補償されないケースとは?
それでは最後に、大雪が降って損害が出たのに火災保険で補償されないケースを解説します。
まず、被害が出た建物の 老朽化 が原因により、水濡れが発生した場合は補償されませんし、保険契約者の 故意または重大な過失 がある場合もでません。
そもそも雪災に対する補償が火災保険についていなかったり、損害額が 20万円未満 は補償されない条件で加入し、20万円以下の被害だった場合もダメです。
なお、大雪でカーポートが破壊され、マイカーが被害 に遭った場合も補償されません。(自動車保険から補償されるケースはあります。)
あなたの自宅に積もった大雪が崩れ落ち 隣家に損害を与えてしまった場合 や雪解け水が原因で 洪水や土砂災害 が起きた場合も補償されません。
そして、損害があってから一定期間過ぎての保険金請求も認められません。
なお、『事故が起こってから保険金請求まで何年経ってたら補償されないの?』については、次の記事で解説しています。
もう一度整理すると、次のケースは雪災の被害であっても火災保険では補償されません。
- 老朽化
- 故意または重大な過失
- 損害額が20万円以内のケースは要確認
- マイカーの損害
- 隣家への損害
- 雪解けによる洪水や土砂崩れ
- 一定期間が過ぎてからの請求
まとめ
たとえ火災保険に加入していて大雪が原因となる被害にあっても雪災補償の対象外となるケースもあるし、補償されるケースもある。
- 雪の重みで建物(屋根)が破壊(変形)された⇒OK
- 大雪でカーポートの天井が壊れた⇒OK
- 雪崩が発生し建物が破壊された⇒OK
- 雪解け水により洪水が起き水害が発生した⇒水災が付加されていないとNG
そして、大雪が原因の被害なのに火災保険でカバーできないケースもあるので注意しましょう。
雪災でも補償されないケース
- 老朽化
- 故意または重大な過失
- 損害額が20万円以内のケースは要確認
- マイカーの損害
- 隣家への損害
- 雪解けによる洪水や土砂崩れ
- 一定期間が過ぎてからの請求
最後までお読み頂き、ありがとうございます。