「地震で家が倒れたら火災保険から保険金が出るんでしょ?」と思っていたら、大きな間違いだ。
2011年の東日本大震災では、地震保険に入っていなかったために一円も保険金を受け取れなかった家庭が多数あった。火災保険の補償対象は火災・風災・水災であり、地震・津波・噴火による損害はカバーされない。この違いを知らないまま放置するのは危ない。
地震保険の基本:火災保険なしでは入れない
地震保険は単独では加入できない保険だ。必ず火災保険とセットで契約する必要がある。また、保険料は全保険会社で一律に決まっており、どこで入っても保険料は同じになる。これは国(政府)が再保険を引き受ける公共性の高い保険制度のためだ。
| 項目 | 火災保険 | 地震保険 |
|---|---|---|
| 補償対象 | 火災・風災・水災・盗難など | 地震・津波・噴火による損害 |
| 単独加入 | 可能 | 不可(火災保険とセット) |
| 保険金額の上限 | 建物の再建築費用相当 | 火災保険金額の30〜50% |
| 保険料 | 会社によって異なる | 全社一律(国が設定) |
地震保険で補償される損害・されない損害
補償される:地震による建物の損壊・倒壊・埋没・流失、地震後の火災による損害、津波・噴火による損害。
補償されない:地震後の火災でも、地震との因果関係が認められない場合は対象外になるケースがある。また生活費・仮住まい費用・引っ越し代は一切補償されない。「全壊」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分で判定され、損害の程度に応じた保険金が支払われる。全壊で保険金額の100%、一部損では5%が支払われる。
保険金額の上限は火災保険の30〜50%
地震保険の保険金額は、火災保険保険金額の30〜50%の範囲内でしか設定できない。火災保険で建物2,000万円で加入していても、地震保険の保険金額は600〜1,000万円が上限だ。建物が全壊した場合でも1,000万円しか出ないため、再建には不十分なことが多い。
この点を理解した上で「地震保険は再建費用を全額カバーするものではない」と割り切って加入するのが正しい考え方だ。
保険料の目安と地域差
地震保険の保険料は建物の「所在地」と「構造(木造か非木造か)」で大きく変わる。
| 地域(リスク) | 木造(H構造) | 非木造(T構造) |
|---|---|---|
| 東京・神奈川(高リスク) | 年 17,200円/1,000万 | 年 9,800円/1,000万 |
| 大阪・兵庫(中リスク) | 年 9,000円/1,000万 | 年 4,700円/1,000万 |
| 秋田・山形(低リスク) | 年 1,900円/1,000万 | 年 1,050円/1,000万 |
東京の木造一戸建て(保険金額1,000万)では年間17,200円。秋田の非木造では年間1,050円。この差は約16倍だ。
割引制度で保険料を安くする方法
地震保険には4種類の割引が用意されている。
- 免震建物割引:50%割引。免震構造が認定された建物が対象
- 耐震等級割引:等級1→10%、等級2→30%、等級3→50%
- 耐震診断割引:自治体の耐震診断で基準を満たした建物→10%
- 建築年割引:1981年6月1日以降に建築された建物→10%
注意点として、これらの割引は重複適用ができない(最も割引率が高い1つだけが適用される)。
地震保険が不要と判断できるケース
全員に必要かというと、そうとも言えない。以下の条件がそろう場合は加入を見送ることも選択肢になる。
- マンションの3階以上で全壊リスクが低い地域に住んでいる
- 建物が倒壊しても賄えるだけの金融資産がある(目安:3,000万円以上)
- ハザードマップで地震リスクが特に低い地域と確認できる
ただし「今まで大きな地震がなかったから」は根拠にならない。日本全国どこでも大規模地震が起こりうることは、能登半島地震(2024年)が改めて示している。
火災保険・地震保険を一括で比較したい方は火災保険を無料で一括比較するのが手軽だ。保険料の差を確認した上で判断できる。
まとめ
- 地震・津波・噴火の損害は火災保険でカバーされない。地震保険は別途必要
- 地震保険は火災保険とセットでしか加入できない
- 保険金額の上限は火災保険の30〜50%。全壊しても再建費用全額は出ない
- 保険料は全社一律だが、所在地・建物構造で最大16倍以上の差がある
- 耐震等級・免震建物などの割引制度を使えば最大50%の割引が受けられる
